雨。部屋で一人外を眺める一日。
昨日も今日もヤルことはなし、
鳴らない携帯電話。
彼女の唯一のコミュニケーションツールだが
番号は彼女しか知らない。
メール?
アドレスは適当で本人すら分かってない。
出会い系で書き込みをするための道具になり下がってしまっている。
なぜなら彼女は
割り切りの関係で生活をしてたからであった。
出会い系で知り合ったパトロンは3人おり、
彼女が生活に苦しくなると一方的に連絡し関係を持つ。
例外は女性の日。
この日ばかりは、3人とは
割り切り関係を持てない日でした。
3人のパトロンの1人、
幹生は彼女と同年代の青年です。
家が裕福ということもあり金銭的に困ったことはありませんでした。
しかし、本当に人を好きになったことはありませんでした。
なぜなら、幼少のころから自分に寄ってくる人の裏側が見えるようになっていたからです。
正之にとって彼女は何を考えているのか分からない不思議な存在となりました。
そして、
割り切りの関係は好都合というわけです。
基之はただのスケベ親父。
電話するといつでもホイホイやってくる。
妻子がありそんなに裕福でもない。
見た目は紳士だけどベッドはケモノそのもので連絡するのに少し抵抗がある。
完全な
割り切りの関係。
正春は高齢であり妻に先立たれた76歳の老人。とても穏やかな性格で、
彼女にとっては恋愛感情を抜きにしてホッとできる人物でもちろん
割り切りの関係はなんかではありません。
正春に連絡を取る時は決まって落ち込んでいる時でした。
正春もこの子の将来をとても心配していました。
ある日彼女は風邪で寝込んでしまいました。
彼女の連絡先は4つしかありません。
幹生,基之,正春あとは掲示板。
ここで頼りになるのは体力のある幹生か基之。
基之に連絡し借りを作り
割り切りの関係になるのがいやなので当然幹生にメールを入れます。
が、
返ってきません。
一時間ほど過ぎたころ基之にメールを入れます。
風邪を引いてしまったので、
薬を買ってきて欲しい。と…
基之からは一時間後にはつけるとの返信メールがあり、
彼女は少し安心して倒れるように眠りました。
チャイムが鳴り意識朦朧の彼女は扉まで力を振り絞ります。
ガチャ。
扉の前には基之が立っていました。
基之は彼女を抱き抱えベッドまで運びおにぎりを食べさせ、
薬を飲ませました。
いいところもあるじゃん。と彼女は思いました。
基之はうれしそうに着替えをさせてやろう。
彼女の着替えをあさり彼女のすべてを脱がし
なんと
割り切り関係を迫ってきました。
せっかく見直したのにこれか…と彼女は思いました。
その時また部屋のチャイムがなりました。
どうせ何かのセールスだろうと
割り切りで無視してました。
基之はそれどころではありません。
彼女のカラダをいやらしく触っていました。
しかしそのチャイムは一向に止むことはなく、
イライラしながら基之が出ていきました。
ガチャ。
誰だ。アンタ?
そこには幹生がいました。
幹生と基之が鉢合わせしてしまいました。
彼女は、熱からもうどうなってもいいや。
という
割り切りの状態でした。
状況を察した幹生は基之を殴り、
持っていた薬を玄関に置きその場をさりました。
殴られた基之もプライドが高くそこにはいたくなかったんでしょう、
「この、アバズレが!」
と言い残し去っていきました。
1人残された彼女は笑い、
そして泣きました。